平編み竹かご作り
Date:Jul 4, 2022 (Mon)
6月28日、芳泉茶寮にて「竹ひら籠」を作るワークショップを開催しました。
私たちが愛用していた竹ひら籠がとても使いやすく、地元の材料でできたらいいな、と友人に相談したところ、実現したものです。
試作品を作って、ワークショップの材料を用意してくださって、当日も講師を務めてくれたおふたりのお陰で、とても素敵な道具を作ることができました。
竹の活用は日本のどんな場所でも課題となっています。材料は豊富にある、でもそれを活用できる人手や技術、場面が圧倒的に減少しています。
かつては様々な場所で竹を資源として活用し、また生活の道具として使っていたけれど、それがプラスチック製品になったり、また、そもそも生活スタイルの変化などでその用途がなくなったりして、まったく活用されなくなったりしています。
私たちは、芳泉茶寮に出会い、ここで暮らすことで、先人たちが過ごしていた日常を追体験すること、そして、その時代の「システム」を体感することがしたいと考えています。
里山に育つ梅の木に梅が実れば、それを収穫して保存食を作る。その際には、それを並べる竹ざるが必要となる。竹ざるはどうやって手に入れる? 冬の間に竹を切り、ざるの材料を用意して竹を編んでざるを作っておく。そのためには冬に山に入って、竹林を整備する必要がある。そして梅の木は適宜剪定をしておく。
例えばこんな流れです。
実にたくさんのことに気を配り、用意・準備をし、ひとつのことが実現します。しかし、これはただひとつのことが実現するのではなく、山が調うことで空気や水の流れが調い、動物たちと共生ができ、木が健康になって、すべてが私たちの暮らす環境に返ってきます。
芳泉茶寮の古民家の改修工事のときもこのようなことをたくさん感じましたが、今のところ私たちの実感としては、この古民家が建ったころの先人たちの暮らしぶりは多くの場面で循環型、そして持続可能な形だった、と考えています。
現代的なシステムやテクノロジーの恩恵を計り知れないほど受けているということに感謝しながら、一方で、かつての暮らしのシステムはひとつの完成形だったように感じます。
暑い、暑い、と汗をかきながら、何度も手直ししながら、竹と向き合う時間は、失われた「感覚」を呼び起こしてくれる時間でした。
この竹ざるで、今日は早速梅を干しました。こんなに早くデビューとなるとは思っていませんでしたが、思い通りにならないのは世の常ですね。
今年の梅干しはどんな風になるかな?
楽しみです。